<麻の手仕事日記 2021>
~麻の手仕事日記 2021~
*栃木県の指導により麻畑は過去に撮影した写真を掲載します。
02月20日
朝と晩、1日2回行う「床まわし」です。
繊維を剥ぎやすくする為に行う作業で、麻槽に水を張りその中で一回転させます。
水からあげ藁菰や毛布を被せ発酵を促しながら2日か3日床回しを行い麻のひき時になるまで繰り返します。
麻槽の水は1日置きに汲みかえる、1日1回汲みかえる、1日半分ずつ替える、少なくなったら足し汚れたら汲みかえる等など農家によって考え方は様々です。
発酵の具合が思わしくなければ汲み替えたり、少なくなったら足したり。私たちと同じように気温と湿度を見ながら調整しています。
どんな発酵菌が入った水ですか?と質問をいただく事がありますが、麻ひきの際に出る麻垢を入れた水です。
他に何か特別な菌を入れるわけではありません。麻の常在菌で発酵を促しています。
02月15日
朝から降り続いていた雨は夕方にあがり、空には虹がかかりました(^^)
今日の雨で3月に麻種を蒔く畑もすっかり湿っています。明日1日乾燥させて晴天が続けば明後日から畑で「地ごしらえ・じごしらえ」を始める予定です!
畑の大きな石を取り除き、細かく砕土し平らにする作業です。麻は収穫期には2メートルになる植物ですが、背丈に比べて根の張りが短いので土を柔らかくしすぎると根が深く潜ってしまい倒れやすくなります。
なるべく根を横に這わせるために石を取り除き、お天気を見ながら土の柔らかさを調整していきます。
約1か月後に始まる種蒔きに備え、今年も畑作業が動き出そうとしています(^^)
02月11日
↑これは「麻殻・おがら」です。麻茎の一番硬い芯の部分で日本の大きな火祭りやお盆の迎え火、送り火として使われています。
私たちの工房ではこの麻殻から打ち上げ花火の原料、麻紙、麻炭、お香、などを作り出しています。
麻殻を細かくした麻殻パウダーです。ネットショップ麻農家のお店では「麻香」として販売しています。耐熱性のあるお皿に盛り塩のように置いていただき先端に火をつけ魔除けのお香としてお使いいただけます。
この麻殻パウダーにお付き合いのある神社様からいただいたご神木の杉の葉を入れコーン形の麻香を作っています。
麻香の成型は一つ一つ手作業で形を作っていきます。工房のスタッフだけでは成型が間に合わない事も多くなってきました。
そのため栃木県の障碍者施設ご利用者様や障害や不登校、引きこもりの若者達を支援している法人のご利用者様に地域連携事業としてお手伝いいただいています。
時折吹く春風のように、ほっこり優しいお香になりますように(^^)!
01月25日
ご注文いただいた麻殻のすだれを作っています(^^)
麻殻(おがら)は麻茎の芯の部分です。茎なので土に近い方は太さがあり上に伸びるほど細くなっていきます。
麻は外で栽培する植物です。そして種を蒔いてから約110日で2.5メートル近くなる育ちの早い植物です。
麻殻を見ると麻の成長が記録されています。歪みがある麻殻は強い風に吹かれ立ち上がった麻なのかも・・・。
急に細くなった麻殻は、周りの麻の影になってしまったのかも知れません・・・。
当たり前ですが、機械で作ったような真っすぐ同じ太さの麻殻は一本もありません。
個性豊かな麻殻のタペストリーです(^^)
01月22日
冬の澄み切った空の下、加工場では今日も麻剥ぎ・麻ひきが行われています(^^)
外に出ると聞こえてくる麻剥ぎの「パキッ! パキっ!」という音。麻引き機の機械音。
どちらも一定のリズムで聞こえてきます。
心地よく優しい気持ちになるこの音は里山の景色にとてもよく合います(^^)
現在、栃木県に新型コロナウィルスの緊急事態宣言が出ているため体験教室・カフェはお休みしていますが、再開した際には是非この優しい音を聞きにいらしてくださいね!
01月19日
ご注文いただいた「金箔入り麻紙」を制作しています(^^)
金箔は非常に薄く少しの空気の流れでなびいてしまう為、麻紙に上手く乗せるのは一苦労です。
01月12日
今年も県内の保育園、年長組の子供達が紙漉きに来てくれました(^^)
今日漉いた麻紙は3月に行なわれる卒園式で使われます。自分で漉いた麻紙が自分の卒園証書となり子供達の手に渡ります。
麻紙を使うのは「麻のようにスクスク真っ直ぐに育って欲しい。」という園長先生の温かい気持ちが込められています。
↑↑細かく加工した精麻を混ぜているところです。「つめたいー!!」と言いながらも、塊が残らないように一生懸命混ぜてくれました。
漉き枠を両手で同じ高さに持ち上げる事は見た目よりもずっと力が必要です。
小さい体で一生懸命平行に持ち上げようと頑張るお友達を周りの子供たちが励ましていたり、なかなか平行に出来ないお友達に優しく手を貸してくれる周りの子供たち。
そんな子供達と一緒に過ごす時間はとても新鮮で心温まる1日になりました。
2021年01月01日
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
コロナ禍ではありましたが、たくさんのお客様に支えられ心より感謝申し上げます。
本年も変わらぬお引き立て、一層のご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。