<〆麻束から精麻へ>

お盆が過ぎ朝晩の暑さが少し和らぐ頃になると、床臥せ→麻はぎ→麻ひき→精麻干しが一連の作業として行われます。

まずは「床臥せ・トコブセ」という繊維を剥ぎやすくする作業です。

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       写真①

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                   写真②

この「麻舟・オブネ」(写真①)に発酵菌が入った水を張り、〆麻束をくぐらせて1回転させ「床回し・トコマワシ」をします。(写真②)麻舟にくぐらせたものを「水束・ミズタバ」といい水からあげ、藁やむしろをかぶせ寝かせます。

 

 

 

 

この床回し→寝かせる作業を2~3日間、朝晩繰り返し発酵を促します。適度に発酵した麻は触ると少し温かく、表面の感触が滑らかでつるつるしています。発酵の具合は手の感触で感じ取るしかありません。発酵が足りないと後に精麻となる表皮の光沢がなくなり、また発酵し過ぎても質が落ちてしまいます。水束が少しずつ発酵していく感覚を的確に捉えるには多くの経験と観察力、そして気温・湿度を見ながら藁やむしろの量を調節し判断する事がとても大切です。

 

 

 

次に発酵した麻の表面を剥ぐ「麻はぎ・アサハギ」です。

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       写真③

剥ぐ直前に発酵菌の入った水にくぐらせます。(写真③)

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       写真④

根元にある傷は品質を落としてしまうため切り取り、麻の幹がしっかりしたものは2~3本を、細めのものは4~5本ずつを一緒につかみ取り元から5㎝程のところを下に折り、下部の表皮を15㎝ほど剥ぎます。(写真④)

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     写真⑤

上部も同じように5㎝程のところを上に折り上部の表皮を剥ぎ、下部の表皮と一緒にして一気に剥がし「表皮」と「芯の部分=麻ガラ」に分けます。

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        写真⑥

数本を1度に剥ぐので、からまらないように注意しながら真っ直ぐ素直に剥ぎます。ここで痙れてしまうと麻ひきの際に傷になってしまうので集中しなければなりません。後に精麻となるのは表皮の部分ですが、麻殻は麻炭や麻紙の原料となります。(麻殻については今後のHPでお伝えします。お楽しみに!!)

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      写真⑦

 剥いだ表皮は1枚ずつ「の」の字に重ねていきます。一枚の精麻は麻1本ではなく、先ほどつかみとられた2~3本または4~5本が一緒になり1枚の精麻を作りだしています。

 

 

 

そして表皮のカス=麻垢を削り取り繊維を取り出す作業「麻ひき・アサヒキ」です。麻のひき時は発酵具合を見ながら判断します。足りないものは「の」の字のまま時間をおき、手触りで確認していきます。

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       写真⑧

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       写真⑨

 

麻ひきには「麻ひき機」を使います。「の」の字ひとかたまり分の表皮を銅版の上に貼るようにしておき、ペダルを踏むと回転する銅版と上部のヒキゴの刃との間に表皮を入れ回転に合わせて繊維を引き出します。この繊維が「精麻・セイマ」です。繊維は丈が長いので中央から半分ずつ分けてひいていきます。(写真⑧、⑨)「の」の字の時点では数本分の表皮でしたが、ここで互いにくっつき1枚の精麻となります。この時に出る「カス=麻垢・オアカ」は後の麻紙の原料の一部になります。(麻垢については今後のHPでご紹介しますのでお楽しみに!!)

取り出された精麻を「麻掛け竿・オカケザオ」に1枚ごとに風を通しながら掛けて日陰で3~4日間ほど乾燥させます。

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     写真⑩ 

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       写真⑪

これを「精麻干し・セイマボシ」といいます。(写真⑩、⑪)

 

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 当工房と麻農家のお店で販売している精麻は上・神麻・特等に品質分けをしています。通常出荷される精麻は上で、手触りは滑らかで薄くしなやかさがあり神社への奉納などにお使いいただける品質です。

 

当工房が運営するオンラインショップ「麻農家のお店」で販売しております。