<麻殻 実験室>
~麻殻 実験室~
麻茎から表皮を剥いだ際に出来る麻茎の芯を「麻殻・おがら」と言います。日本の大きな神社などで行なわれる火祭り等では、この麻殻を束ねて「たいまつ」にして、火をともします。
その炎と煙は場を清め、邪気を払うと伝えられています。お盆の迎え火・送り火としても使われています。
精麻を作る工程の「麻剥ぎ・麻はぎ」という作業の際に出るものです。
↑↑↑上下の皮のようなものが表皮で、中に穴の開いた枝のようなものが「麻殻」です。
このように麻剥ぎ作業中に積み上げられていきます。
この麻殻を当工房では火祭り用に裁断した麻殻を販売している他に
パウダー加工したり、 小物にしたり、
お盆の送り火や すだれにしたり
繊維を煮熟して手漉きで麻紙を作っています。
工房では長さを揃える為に「丸鋸」を使っています.
ではクラフトや飾りを作る時に自分の好きな長さに切りたい場合、どんな道具を使えば麻殻の多孔質な繊維を崩さない綺麗な切り口になるでしょうか???
身近にある道具を使って試してみました(^O^)
☆☆実験 1☆☆ キレイに切れる道具探し!!
①手で折る
道具はありません。力を入れてシンプルに折る!!
きっとダメだろう。。と予想はしていましたが、切り口はご覧の通り・・・おすすめ出来ません。
②工作用ハサミ
最も身近な道具ですね!細い麻殻は簡単に切れますが、太さがあると力を入れないと切れません。
切り口は
中の繊維まで潰れてしまいました。
③カッター
刃が滑ってしまいとても切りにくい!!力も時間もかかります。切り口は
一見、綺麗な切り口に見えますが、多孔質な繊維が平らになってしまいます。
④園芸はさみ
切れ味がよく、力を入れなくても簡単に切れました!肝心の切り口は、
これも繊維が潰れてしまいます。
④枝切りはさみ
ステンレス刃のこれなら、きっと!!
しかし、バキッ!という音がして・・・失敗です。切り口は
⑤鉄切り鋸
家庭にはあまりないと思いますが、ホームセンターや百均などで簡単に手に入ります。
コツを掴むと数回引いただけで切れるようになりました。切り口は
刃に塗料が付いている場合は左写真のように色が少し付いてしまいますが、数回切ると付かなくなりました。
多孔質な繊維を崩す事なく切る事ができました(^^)!
結果:多孔質な繊維を崩す事のない「鉄切り鋸」はおすすめ出来る道具です(^^)
☆☆実験 2☆☆ 天然の加湿器として使いたい!!
麻殻はとても多孔質です。